2017/06/18

アメリカで家を買う その12

念願の一軒家には不思議がいっぱい

久しぶりに家を買うシリーズです 地味に人気の連載です 

一軒家を購入したものの、古い部分と改築部分が混在した家だったということに気が付いたのは入居間近でした 前オーナーは見える部分のみ(目立つ部分)お金をかけて仕上げていました 目立たないと思われるであろう箇所は最低限の仕上げしかしていません ある意味尊敬するほど凄い人たちでした

前オーナーとは

前オーナーがどんな人だったかといいますと、不動産投資のセミプロです 古い家を購入して綺麗に直して売るを繰り返している人たちです 本職はとてもお堅い職業で、弁護士のご主人、裁判所判事の奥様でした ヨーロッパ系の非常によく言えば堅実、意地悪風味の表現をすると 筋金入りの〇ケチな方々でした 普通のレベルのケチさんじゃないです

2人の息子さんがいて、家の購入、修理、転売を繰り返すというのは落ち着いた暮らしは全く出来ないということになります それを何年も繰り返しているだけでも凄いです それでもやっているということは、大変なリターンが出ているわけです 日々の暮らしを犠牲にしてもやる価値はあると信じてやっておられるわけです この辺りが、大儲けをする人とそうでない人の境界ですね 何を犠牲にするのかしないのか、やるのかやらないのか 全てはそこなのです

私はこのご夫婦のようなことは出来ないと思いました あまりにも落ち着かない生活が何年も続くなんて耐えられません 実際、我家を売却後に次の家の工事が終了しないのでリースバックで1か月半ほど住んでもらいましたが、それも高いとのことで工事半ばの新居に強引に引っ越していかれました 

ただ、生活を犠牲にしてまで稼ぐ気満々のセミプロですから、目の付け所といいますか 場所の選択眼は抜け目がありません 確実に大きく値上がりする場所の物件を購入しています 彼らから学ぶべきところは、これでした 不動産選びは場所がやっぱり肝心なのです


バッティングセンター付

ここではじめてお伝えします 5年も探し続けて購入した家には バッティングセンターが付いていました 本物サイズの野球のバッティングゲージがあったのです しかも、夜間照明付、マウンド付きの正真正銘本物です 庭全部を使ってゲージを張ってありました 他にはジャグジーが庭に設置されていますが、バッティングセンター・ビューです 更に庭の奥に物置小屋が設置されており、中を開けると プライベート・ジムになっていました これにはかなりの衝撃を覚えました

幽霊が出そうなボロ小屋とどっちがいいかといわれると、まだバッティングセンターの方が全然いいのですが、本気スポーツマン仕様のこの設備には引きますよ 野球少年のご次男のための設備だったそうですが、これ無料じゃなかったのです

ジムの機材はいるならいくらとリストに値段がありました 他にもBBQグリルとかいろいろ欲しいものは売りますのでいくらです というリストを渡されました 全部、欲しくありませんでしたので、お引越しの際に撤去してもらったのですが バッティングセンターは残されました えっ~! 置いていくの! ってビックリです ナイター設備完備の本格的なものなので撤去費用が結構掛かると判明したんでしょうね そのままでした

物置小屋からはジムの機材が撤去されましたので、普通に物置として利用しています これはとっても助かっています 他も少々迷惑な置き土産がありました

5年家探しを続けて、やっとの思いで購入した家の裏庭がバッティングセンターだったという事実 家庭サイズのバッティングネットじゃありません 本物の規格サイズの長い長いゲージです 野球少年以外全く利用価値のないものでした




置き土産

持って行くのが大変そうなもの、価値のないものはいくつか置いて行かれたのですが、何故か犬のゲージが放置されていました シェパード犬がいたのですが、いらなかったのかとても不思議です 他には、キッチンの電子レンジの中に干からびたピザが一枚あったのはご愛敬です 庭にリサイクルプラステックの大きなピクニックテーブルがあり、これは気に入っていて欲しかったのですが、タダで置いていってくれました ものすごく重いので運べなかったのだと思います

ところが、前オーナーが雇っていたハンディマンを引き続きうちも雇って多少の手直しをしてもらっていたのですが、このハンティマンに危うく持って行かれそうになりました 前オーナーがくれると言ったからとかなんとか言ってました このハンディマン、最低の仕事しかしないのです 〇ケチの前オーナーが探してくるだけあり、安かろう悪かろうの典型 人間性も全く信用できない人でした なんとか、ガーデンテーブルだけは死守したのでした

バッティングセンターは、引っ越し後何年も放置になってしまいました 引っ越し当時6歳の息子がもしかすると野球少年になるかもしれないとちらりと思ったからですが、息子はスポーツ少年には育たず、音楽家の道に進んでしまったので数年後にやっと撤去しました 庭全体を覆っていたバッティングネットがなくなったので、そこからようやくお庭作りです 少しずつ好みの薔薇を植えて、今では昔の面影はまったくなくなりました


ジャグジーの真実

家を売却する際に、アップグレードをするのは高く売却するには効果的な方法です お庭にジャグジーなんかあると、好感度アップしますよね? うちもバッティングセンター脇ではありましたがジャグジーが設置されてあり、オープンハウスで見た時は いいなぁ って思っていたものです ところが、引っ越してみるといかにも真新しく、慌てて設置した感がいっぱいでした これが流石、前オーナーです

引っ越してきてすぐは、気に入っていたのです 当時6歳の息子はプール代わりに遊んでましたし、月夜のジャグジーなんかもおつなものでした ところがです やっぱりです これが、排水管に接続されてなかったのです 定期的に水の入れ替えをしますが、ご存知のようにジャグジーはプールと同じくたくさんのケミカルを使用しています この薬品いっぱいの水を流すのに排水管に接続されてないと気が付いたのはしばらく経ってからです この水を抜くと、外壁に開けてある排水の穴から外に(サイドウォーク)に流れでていくのです 最終的にはサイドウォークに植えてある芝生のところに吸収されます

やっぱり、前オーナーがケチって排水管に繋ぐ工事をしなかったのです 排水管に繋ぐには市の許可を取る必要があり、時間も費用もかかります あの信用できないハンディマンにやっつけ仕事で設置したに違いありません 庭に土管を埋め込み、サイドウォークに排水するように作ってありました そうとわかれば、もう使用できません もともとたいへんな量の薬品を投入するのにも抵抗がありましたし、それ以来使用していません

最近は、たくさんのケミカルを使用するジャグジーの人気は昔ほどないような気がします ジャグジーの使用をやめたので、代わりにバスルームにスチームシャワーを付けました こちらの方がよっぽどエコです シャワーの水の使用量も少なくなりますし、バスタブにお湯を張ると相当な水が必要ですが、スチームだとわずかな水で身体も温まりますし自宅サウナで気持ちいいですよ これから家のアップグレードをするならケミカルいっぱいのジャグジーより断然エコで水の節約になるスチームをシャワールームに設置する方をお薦めします


一軒家の維持

家を買って住み続けるというのは、維持費が結構かかるものです 修理だけではなく、メンテナンスも費用がかかります 暖かい西海岸ではシロアリ対策も怠れません 光熱費もコンドやタウンハウスの集合住宅に比べたら、大幅に値上がりします お庭の手入れも、スプリンクラーの水代もかかります 集合住宅では HOA に毎月支払いがありますが、これも近年上昇していて 月額千ドルくらいのところも珍しくありません レントの場合は全部家賃に含まれているので家を持つまでわからないことです 家の購入をお考えの際は、維持費がどのくらいかかるのかも調べておく必要があります


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