2016/12/15

アメリカで家を買う その5

オープンハウスは楽しくない

私たちの家探しのお話の続きです タウンハウスを買って、家が見つかるまで3年半かかりました タウンハウスを買う前から一戸建ても探していたので、5年ほど探し続けていたことになります 一戸建ての家を購入できたのは2003年ですので、かなり前のお話です


タウンハウスから一戸建てになんとしても引っ越すと心に決めてから、来る日も来る日も家探しです リストに新規の物件が出ると必ず、オープンハウスに行きました 都合がいいことに夫の仕事は火曜日がお休みなので、火曜日のキャラバンに行くことが出来たのはラッキーでした 

注:キャラバンとは火曜日に行われる業者向オープンハウス、一般向けのオープンハウスに先立って行われます


恐るべき20年代物件

ところが、これが苦痛以外のなにものでもなかったのです 私たちが買うことの出来る価格の家といったら! 朽ち果てた廃墟のような物件ばかりです いちばん多かったのが1920年代の物件でした 20年代です 日本人の私たちからしたら、そこに建っているだけでもびっくりの古さです 20年代の物件は、小さいですよ ほぼ間違いなくスパニッシュスタイルの極小ハウス 天井もとても低いです こうなるとリモデルのしようもなく、新規で建て替え前提の物件になります 強者なら住むことも可能ですが、私たちはそこまで肝が据わっていませんでした


プロベート物件

次によく出くわしたのが、プロベート物件です  プロベートとは、誰かが亡くなったときにその資産を裁判所の監督下で整理すること 実際に手続きをするのは弁護士で、多額の費用がかかります 遺産が少額の場合は問題ないのですが、ある一定の金額を超えている場合、リビングトラストなどでプロベートを回避する手続きをしていなければプロベートを終えるまで遺産を売却することはできません そのため、アメリカ人のほとんどは生前トラストを作成、生きているうちに資産をどうするかを決めて、プロベートをできるだけ避けようとします それでもトラストの書類に不備があったり、あとで買った不動産をトラストに入れ忘れていたなどの理由でプロベートになってしまうことがあります

プロベートで売られる不動産は、修理が多少必要な”コスメティック・フィクサー”と呼ばれる状態なのが普通です オーナーが生きていれば修理や掃除をした上で売りだすでしょうが、プロベートセールの場合はこのようなことができません 家族が多少の修理をする場合もありますが、基本的には家族は管理人のような立場なので、大きな修理を行うケースはほとんどありません またプロベートセールは通常As Isで売られます 修理を頼む相手がいないからです 

このような事情で売りに出されますから、亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんの持ち物がそのまま家の中にあり、クローゼットの中もそのままだったりします かなりコワかったです 家の中もですが庭も使わなくなって20~30年くらいのプールがあったりしました






家ではない

20年代でもなくプロベートでもない、私たちが買える値段の売り物件は ではありませんでした リストに ハウスとは書いてないのです コテージ、もしくはビーチハウス と表記されている物件です 厳密にどこからハウスでどこからがコテージなのかはわからないのですが 私が理解したところでは、ハウスと書くのがはばかられる物件ということみたいです 見に行くと ”あぁ、なるほど” と思いました 散々、オープンハウスに出掛けて、なんとなく住めそうな物件が 家 ではなかったという衝撃 


これじやない

片っ端から行ったオープンハウスは、これじゃない感ハンパなかったです 特に夫の反応が露骨に嫌な顔するわけです だだ、その夫がやっとバブル前の状況に気が付いてくれたのが、我家の斜め前にあった家のオファーの時です ボロボロの廃墟同然の家に60件以上のオファーが入り、最高額で入札したにもかかわらず落札できなかったその時にぼんやりの夫でもこれはなにか凄いことが起きてると理解してくれたのでした

そうは言っても、買うべき物件は現れません 実際、今の家を買うまでにオファーを入れたのはその廃墟だけです 極々狭いエリアで探してますので、もともとの物件が少ない上に買える値段の家となればほんの数軒なのです そして気が付きました オープンハウスに来るメンツが同じということに! 私たち以外は、ほとんど業者さんだったのです 古い家を買って建て替えて売る建築業者ばかりだったのです これではオファーを入れたとしても絶対に勝てません 資金がある業者なのでローンがおりるのを待つことなくエスクローをクローズ出来る利点があります 住んでいるタウンハウスを売却しなくては買えないような私たちでは勝負にならないのです


一歩前進


買うべき家は見つかりませんでしたが、確実に一歩前進しました 敵を知ることができたのです 誰と戦っているかがわかっただけでも、戦略を立てることに役立ちます やっと家探しの第一歩が始まりました それまで、なんの準備もなくやみくもにオープンハウスに通っていただけでした 買うべき準備が大事とやっとわかったのです



不定期にこのシリーズは続きます






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