2017/02/11

アメリカで家を買う その8

とうとう買えました

その7 からの続きです

装備を整える

プレアプルーバル・レターを手に入れたので、ぐんと装備力が上がりました ドラクエじゃないですが、それまでは全くの丸腰で勝負に挑んでいたようなもの 揃えるものは揃えないと勝負にならないのです もう一つ、強力な武器を手に入れました タウンハウスのローンを完済したので、タウンハウスを担保にホーム・エクイティローンを借りました 時価の80%の枠を頂けました これでタウンハウスを売る前にダウンペイメントが払えます やり手の不動産ブローカーさんなので、モーゲージ・ブローカーも紹介して貰えましたし、驚くほど簡単にローンはおりました 当時は、バブルの前だったのでローンの審査も緩めでした 今は、相当厳しいと思います

とうとう巡り会いました

ハイジの家を見に行ってから、もう一軒だけオープンハウスでちょっと悩んだ物件に出会いました 廃墟から比べると、予算を上げた分まあまあな物件なのですが、微妙なんですこれもまた 改築を違う年代でしているのがバレバレ、継ぎはぎだらけの家なのです そして音楽をスピーカーからずっと流している? 大通りに面してますから、車の音がかなりウルサイのです バックヤードは庭がなく、全面プールです これまた微妙 いちばん気になったのが、斜面に建っているということ こちらでは斜面に強引に建てている家は割と出くわします 階段もおおいですし、タウンハウスと違いがイマイチわからない作りです 決定打は、子どもの学校区が数件の違いでお隣だったこと これは見送ることにしました もしかすると、もう次はないかもと思いながらオファーは入れませんでした

それから、一か月後です リストに掲載されたのは知ってましたが、予算オーバーでしたのでオープンハウスにも行かなかった物件なのですが、毎日毎日リストをみていたら値下がりしたんです 10万ドルも!下がったのです これはイケるかもと、すぐブローカーさんに連絡するもバケーションに出掛けて不在 それには訳がありました




イラク戦争勃発

2003年3月20日にイラク戦争が勃発したのです それまでアゲアゲできていた不動産相場が一気に凍り付きました 誰しも思い出したのは1990年代の湾岸戦争のこと、湾岸戦争時には不動産相場が低迷し大変な不動産大不況があったのです 当時、不動産で痛い目にあった人が大勢いましたので、誰も不動産には手を出さなくなりました みんな様子見になっています それで、やり手のブローカーさんも久しぶりに家族サービスをするためにバケーション中だったのです こんな時、誰も動かないよって高笑いです 

そこで慌てたのは、売りに出した家のオーナーです 既に次の家の購入を決めていますので、一刻も早く売りたいのです 戦争が始まる前は強気のプライスでしたが、戦争が始まった途端、オープンハウスにも誰も来なかったらしいので一気に気弱になっています 10万ドルオフってこれならイケそうです こんなこともあろうかと、ブローカーさんを二人雇っていた甲斐がありました 日本人のブローカーさんにすぐ手配をお願いして、その日のうちに見学に行きました 仕事中駆けつけた夫はたった10分見ただけです この日の為に5年も探してきたのです もう迷いはありません 売り主の付けた値段でオファーを入れることにしました 夜にもうひと家族見学があるということなので、万全を期して全ての書類を整えて、家の前で見学の家族が帰るのを見届けた後、ブローカーさんが売主ご夫婦に直談判です この日本人のブローカーさんも、5年の間に大きく成長されていました アメリカ人のブローカーさんの仕事ぶりから多くを学んで下さってました 

売主が売り急いでいるのはわかってます これ以上、まけてくれとも言いません あなたのつけた値段で買うので、今サインをして下さいと 迫ってくれました 私たち家族の写真も持参し、この5年いかに探し続けていたかと情に訴えるのも忘れていません(この手もやり手のブローカーさんがよく使うのです)お蔭で、その日の夜 交渉成立です

すべてはあっけなく

5年も探し続けていたのに、決まるとなるとあっけないものです バケーション中のブローカーさんに連絡をすると、かなり不満げです 理由は、コミッションの分け前が少なくなるからなのですが、そりゃそうでしょう 実際、交渉を成立させたのはもうひとりのブローカーさんなのですから、当初の取り決めより分配が変更された模様なので、悔し紛れに、あの物件は家の前にバス停があるからダメだとかなんとか言ってましたが、そんなの気にしません 5年目にやっと巡り合えたのに、あと5年待っても買える保証はないのですから バス停くらい我慢しますよ ハイジの家でもないし、廃墟でもなく、ちゃんと住める家なんですから

やり手のブローカーさんが言いたかったのは、それだけでなく その値段で買えるならもっと早くに言えよっていうことでした 確かに当初探していた予算より相当高いです でもその前だったら買えない値段です 何故、その時は可能だったかというと、やはり装備が整ったからとしかいえません タウンハウスのローンを完済し、エクイティローンの枠があり、ローンのプレアプルーバル・レターが揃ったということです これが全部そろってなければとても買うことは出来ない値段でした

バス停は確かに目の前なのですが、一方通行で30分に一本だけです しかも、ほとんど誰も乗っておらず、通いのメイドさん専用バスといった感じでしたが、現在は廃止されたのでブローカーさんには悪いですけど、なんの問題もなかったですね

それと、やっと見つけた家が たった一度オファーを入れた家の目の前だったことはかなり驚きでした あまりにも狭い範囲で探していたんです 幸せの青い鳥は近くにいるってその時はそう思いました


怒涛の一か月

購入が決まってからは、エスクローを一か月でクローズする日まで怒涛の日々でした 売る方も同時進行ですから、予想を遥かに超えていました ちょっと助かったのは、エスクローは一か月に設定されましたが、売主の方も同じ状況です 売り買いを同時進行しています あちらの新居がまだ、工事中で住めるようになっていないということで、しばらくリースバックをお願いされました これは願ったり、叶ったりです リースバックとは、売却後にも住み続けることで、リースの値段は だいたい買主のローンの月額です こちらのタウンハウスもいつ売れるかわからないので、これは大変有難かったです

次回は、売り買い同時進行のお話につづきます


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