2017/02/02

アメリカで家を買う その7

迷走する家探し

家探しのお話、その5からの続きです

オープンハウスに片っ端から通い続けてやっとわかったことは、私たちが買える値段の家はあまりにも古く、廃墟同然でそんな家を本気で買いにくるのは建築業者ばかりだったということ 資金豊富な業者には太刀打ちできません オファーを勝ち取ることなんか夢のまた夢 ここは作戦変更です

一軒家をあきらめる?

予算内の家では、業者に競り勝つ可能性はゼロです 予算を少しぐらい上げたとしても状況はたいしてかわりません それなら、いっそ一軒家をあきらめてまた集合住宅にする? なんとなくそんな流れになってきました ちょうど、新築のタウンハウスも建ちはじめた頃で探せば新築がありました タウンハウスの階段地獄から逃れる為の一軒屋探しに敗れて、またしても階段地獄に陥るのは金輪際嫌です エレベーター付きならいいかも! エレベーターがあればタウンハウスだって快適に暮らせる気がしました そして、そんな物件も確かにありました 

エレベーター付きの新築のタウンハウスのオープンハウスに行きましたよ しかし、狭い!予想を超える狭さです もともとタウンハウスの間取りは狭いのに、エレベーターの分また狭くなってしまってます エレベーターも便利ですが、メンテナンス費がかかるのでHOA はかなりお高く設定されています 散々見て回った廃墟にくらべたらピカピカの新築なのですが、内装がもう一つなんですね 探していたのは2002年ごろですので、内装もぐっとお洒落でラグジュアリーなタウンハウスが出てくるのは2000年の後半くらいからなのです 私たちが探しているエリアは土地が狭く高いので、一軒家も集合住宅もこじんまりとしたものしか建てられないのです 価格を吊り上げるには内装を豪華にして付加価値を上げるのがいいのですがそんな物件は、まだ出回っていないころでした エレベーター付きが出始めていたので、豪華路線の始まりの頃と言えるかもしれません


家具付きの方が広く見えます

オープンハウスに行くと思うのは、家具付きの方が部屋が広く見えるということ 新築だと、建設途中でも見せたりします 仕上げる前なら自分の好みで変更できることもありますが、やはり家具が入ってない状態だと、狭く見えて仕方ないのです 実際の広さも、当時住んでいたタウンハウスを超えるものがありませんでした 密集したところに建っていますから、お隣はボロアパートだったりもします 窓を開けると、お隣さんとこんにちはできそうな物件もありました 




駐車場問題

コンドミニアムやタウンハウスが建っているエリアは、絶対的に駐車場が足りません 路上には車がいっぱいです ゲストパーキングもないですし、来客時には困ります これが一戸建てが立ち並ぶエリアだと、敷地内に十分駐車できますし 路上に車が溢れていることもありません 道一本隔てて、集合住宅エリアと戸建てエリアがはっきり分かれているのです これは市によって、土地には許可が与えられていて 戸建てエリアの敷地には一軒以上の家を建てられないよう制限されているからなのです 土地が広かったとしても分割して売ることもできませんし、アパートや集合住宅を建てることができないのです これはアメリカの凄くいいことです 急に街並みが変わってしまうことがありません うちのご近所では、お隣が売りに出たら買い足して少しずつ広くしているお宅が何軒かあります 区画をつなげることはできますが、元々のひと区画を分割することは出来ないのです 

ワクワク感がない新築

折角、新築に標準を定めたというのに もう一つ高揚感がないのです ワクワクしません 廃墟に比べたらぜんぜんいいのに、どうしてなのか? その頃の新築は相場的にはかなり高く、マーケットに出てもなかなか売れない物件もありました 競争相手は全然いないので、買おうと思えばすぐにでも買えるのですが、もうひとつ気持ちがのりませんでした やっぱり、これは違うと思い始めた時に、遂にアメリカ人のブローカーさんが動き始めました


真打登場

探しているエリアでは大物のブローカーさんです 日本人のブローカーさんと二人雇っていましたが、これまで彼の出番は特になく自分たちだけでオープンハウス通いを続けてきたのですが、とうとうなんとかしようと思ったのかどうか知りませんが、ある物件を見せに連れていかれました 一軒家でしたが、予算よりはちょっと高めです でも、廃墟ではありません もう、これでどうだ! といわんばかりです 私だってリストに載った時からその家の存在は知っていましたが、価格からも私たちが買える家でもなく、完全にスルーしていた物件でした


ハイジの家

事情があってなかなか売れないので、私たちに売りつけようと 現地でパーフェクトを連呼するブローカーさんです ど、どこがパーフェクトなの? と心の中でつぶやいてしまうくらいの物件でした 外観は平屋なのですが、何故か隠しドアがあってそのドアを開けると急こう配の階段が出現しました それを登っていくと、屋根裏部屋がありベッドが置いてありました ここで寝ることはできますが、起き上がって立ち上がると頭を打ちます これどっかで見たことあるよね??? 気になっていたのですが、それはまさしく ハイジのアルプスの山小屋の屋根裏部屋 ではありませんか 何がパーフェクトなんでしょう、私ハイジじゃないですから…

一階の床もたわんでミシミシしてます 廃墟じゃないけど、ヘンテコな間取りのせいでこれをまともな間取りの家にするにはかなりの改築が必要そうです 全然買う気を見せない私たちに、ブローカーさんが出してきたのは、銀行ローンのプレアプルーバル・レターでした そんなのお願いした記憶もないのですが、私たちが借りられる限度額もはっきり書いてありました 頭金がいくらで、月々がいくらでと返済計画も説明されました その頃はバブル前でローンの審査が緩く、たぶんTax Return の書類を出したくらいでプレアプルーバル・レターは貰えたのだと思います とにかく、あなた達にこの物件は買えますととうとうと説得されました ハイジの家は買う気になれませんでしたが、私たちが借りられる金額が思っていたよりずっと大きかったことは驚きでした これはもう少し出せば買えるのかもしれないと目の前がちょっとだけ明るくなりました ハイジの家は嫌だけど、やっぱり一戸建てで突き進むぞと決意も新たな私たちでした


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