2017/04/08

アメリカで家を買う その10

買ってから売るか、売ってから買うか

5年かかってとうとう家を購入するところまでこぎつけました それからは怒涛の日々、売り買い同時進行に突入です


買ってから売りますよ

私たちが家を購入したのは2003年なので、バブルの前ですが売り手市場でどんどん値段が上がっていた頃です 探し始めて購入するまで5年もかかっています 買う方が絶対に難しい場所でもありました なので、売ってから買うということは全く検討しませんでした だって、いつみつかるかわからないのに売れません

それと住んでる物件も日々値上がりしているのです 手放すわけにはいきません この今住んでいる物件こそが貴重な頭金を作ってくれるのですから、ギリギリまで住み続けるほうがいいのではないでしょうか 売る方に関しては、私たちもブローカーさんも誰もなにも心配していませんでした むしろ、楽勝と誰もが信じていました


現実は甘くない

当時住んでいたタウンハウスは、購入から3年半経過していましたが 前オーナーがフルリモデルをして80年代の物件をアップグレードしていたので、当時としてはかなりラグジュアリーなタウンハウスでした ここからはやり手のアメリカ人ブローカーさんの得意分野です 売ると決まってすぐ、物件をチェックにきました

本人とアシスタントの方とで
・キッチンの見えるところには何もおかない
・生活感がわかるようなものを置かない
・屋上のサンデッキに目隠しのプラントを置くこと

以上のようなご指導がありました 私たちもたくさんのオープンハウスに通って、5年も勉強してきています 全てを理解しました オープンハウス当日は豪華なフラワーアレンジメントもオーダーして出来る限りピカピカ状態にしました チェックにきた、アシスタントの人もびっくりの完璧さに仕上がってました

オープンハウスにもたくさんの人が来て下さったそうで(興味本位の冷やかしも多し)ブローカーさんもなかなかの手応えを感じているようでした その日のうちにオファーが入ってきて、結局、5~6件はあったと思います カウンターオファーも2回出しました こちらもあっけなく売却先が決定し、エスクローに突入です




まさかの・・・

書類を交わしてエスクローに入った、数日後にまさかのキャンセル! 全く予想もしない出来事でした 理由はお隣の物件です お隣は見た目はかなり豪華な感じのコンドなのですが、実はこれは DVから逃げている家族のためのシェルターだったのです 私たちも告知を受けて買ったわけではないので、売るちょっと前まで知らなかったのです 

そういえば、住んでいた3年半の間に警察沙汰が数回ありました ボヤ騒ぎもあったり、ヘンだなとは感じていたのですがボロアパートでもないですし、そんな方々がお住まいだとは思っても見なかったのです 豪華なつくりというのは、セキュリティを強化してのことだったようです

オープンハウス以外にアポイントを取って見に来た方に聞かれたら正直に答えていたのですが、アメリカ人のブローカーさんにその件は言わないことときつくお達しが出ました 彼曰く、言う必要がないとのことでした 購入した方は当然、隣がシェルターだとは知りません 独身のお若い弁護士さんだったのですがすごい剣幕でこちらを嘘つき呼ばわりです 売り手事情のキャンセルには通常ペナルティ費が発生するのですが、そんなのなしで一方的にキャンセルになりました

きつねにつままれた状態とはこのことです 私も日本人のブローカーさんもあっけにとられました それなのに、強気なんですよ ハイ、次行きましょーで終わりでした


逆境に強すぎる

このアメリカ人ブローカーさん、当時もそこそこ大物でしたが 私は駆け出しの頃から知っていまして、この逆境に強すぎる精神というか凹まないところというかこういうところが魑魅魍魎だらけのブローカーの世界でのし上がる理由なんだなと妙に納得しました 仕方ありません この人についていくのみです

2回目のオープンハウスも何事もなかったかのように決行しました Back on Market 物件ってなんか印象悪い気がして不安でしたが、オープンハウスはまあまあの入りでした しかし、前回ほどオファーが入ってきません 流石に焦ります オープンハウス以外にも急なアポで朝イチで見に来る人とかいまして、こちらも疲労してきます 小さい子もいるのにいつもピカピカ状態をキープするのも大変でした

そんな疲労もピークに達しそうな頃、ピンポンです 意外な方の訪問を受けました


凄すぎる隣人

突然、訪ねてきたのはお隣さんでした シェルターではなく、ほんとのお隣です 同じタウンハウスの お隣さんです 壁の向こうに住んでいる方です 正確には、いらっしゃったのはお隣のお父さんです お隣には USCの大学院在学中のご長男がお住まいです 今度、大学を卒業して戻ってくる次男に買いたいとのことでした 渡りに船です

お隣ということは、当然シェルターの件も知っています こんな願ってもない買い手がいるでしょうか それでもお隣で即決はせず、数件のオファーを貰いました この時は、他にもどうしても欲しい方がいてカウンターオファーが2回、その度に値段も吊り上がり、一回目の売却金額を軽く超えました 最終会議では、最高値を付けたのは某大学教授ご夫妻でしたが、事情を知っているお隣に売った方がいいのではないかというブローカーさんのアドバイスでした(これ、後で気が付いたのですが お隣と結託してたんです)

私たちも二度とキャンセルは嫌でしたので、お隣に売ることに決定しました ただ、お隣の方が若干安い金額でしたので、As is を付けてもらいました これは私からの提案です このころ、売り手市場でしたので As is 物件は多かったのです お隣も了承してくださいましたので、無事売却先決定です 契約書に As is があるかどうかは、後で重要な意味をもってきます これを入れておいて大正解でした


カビ問題

売却先が決まりましたので、エスクローは30日と設定されました お隣ですから、今回は気が楽です しかも、お隣のお父様はコマーシャル物件のブローカーさんです いわば、プロ中のプロなので話が早い、手際も良過ぎです インスペクションで数カ所、問題が出ましたが 全て As is なのでこちらに修理の義務はありませんでした だた一点だけ大問題がありました

一階のゲスト用のトイレのシンクの下がキャビネットになっているのですが、その中がカビが発生していたのです 私は開けたこともなくしらなかったのですが、外壁との間に隙間が出来ていて、雨水が侵入していたようです これがただの修理ではすみませんでした カビ問題はかなり厳しい規制があり、専門の業者によって完璧に取り除いた証明を出さなければエスクローがクローズできないのです ちいさなトイレひとつに数千ドルかかり、まるまる3日間も大型扇風機を回し続け乾燥作業をしました これには参りました

もし、自分で気が付いてわからないように修理をしていればかからなかった作業と費用です これから売る方は、シンク下などチェックしておきましょう 目に付きにくいところでも自分でキレイにしておくことが肝心です

売るにあたって問題は、このカビくらいでした 一回目のキャンセルも結果として更に高値で売却できましたのでなにも問題はありませんでした アメリカ人のブローカーさんが全く気にしてなかったのもうなずけます そういう時代だったのです 現在でも、私たちの住んでるエリアでは売り手市場が続いていますのでこのエリアでは買ってから売るが正解です 








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