2017/04/12

アメリカ大学事情 その8

エッセイの重要性

今年の大学の合格発表はほぼ出揃いましたね この時期は合格者向けの説明会に行かれているご家庭も多いかと思います また、これから受験されるお子さんをお持ちのご家庭ではこの春休みにカレッジ・ツアーに出掛けられる方も多いでしょう サクラサク春を迎えられますよう応援致しております


気になる記事を見つけました

カレッジの合否を決める重要な要素といわれているエッセイですが、私が常々思うのは教授の目の前で本人が書くわけではないのでどこまで信じていいものかどうかということです 受験の為の塾に通っていれば当然、アドバイス、手直しはして頂けるわけですし、日本の受験制度で育ちました日本から来た親にはなかなか納得でき兼ねる制度ではあります

超難関校においては、どの生徒も素晴らしく合否を決めるのが困難を極めているのは想像できます しかし、これはどうなのかと思うことがあるんです


Business Insider Japan の記事から抜粋

Luke Kenworthy君というアイビーリーグの大学7校に合格した学生のエッセイが掲載されておりました MITとカーネギーメロン大学 には補欠だったにもかかわらず、イェールの補欠を除き、アイビーリーグの残り全校に合格という快挙です 以下、エッセイの日本語訳

父の胸に顔をうずめて泣いていたとき、そこから感じるやわらかな鼓動がほんの少しだけ慰めになった。
当時、私は小学5年生だった。ボーイフレンドに殴られた母が病院に運ばれた、と父が教えてくれた。自分を散々な目に合わせた母が不幸な目にあったことに、自分が悲しんでいることに驚いたのを覚えている。
自分が8歳のとき、今の自分よりも若い10代の連中と家で大騒ぎをした母。何日もバーに泊まり込んだ挙句いなくなった母。酔いつぶれて意識をもうろうとさせながら父を絞め殺そうとして牢屋に入れられた母。父が単独親権を獲得してから1年以上、自分の人生に彼女は存在しなかった。彼女に悩まされる生活は終わって、全て忘れたつもりだった。それなのに、彼女の腫れた顔や腕のあざを想像すると、熱い涙が頬をつたった。
子供のころの自分は引っ込み思案で、母親の不在がそれに拍車をかけた。人から受け入れられることで、母親の存在を補い、不自然に不安を押し込めていた。6年生のとき、友達の気を引こうと努力したが、結局グループでいじめられた。7年生で学校を変わったときには、新しい人たちと関わるのが怖くなっていた。自分が、変えられない社会階層の底辺にいるように感じていた。次の年には活動範囲を広げられるようになったが、自分が他人にどう見られているのか、いつもびくびくしていた。
高校に入ってからも、自分の不安について考えることを止められず、母親の思い出について父と語り合った。そんなときには必ず、父のシャツに顔をうずめて泣いていた5年生のあの日を思い出した。あのときの無力感は忘れられないが、何度も思い返すうちに、違った捉え方をするようになった。
もし自分が、母親のような境遇で育っていたら ーー 。アルコール依存症で虐待を繰り返す父親と無関心な母親に育てられ、支配欲の強い男性たちと異常な関わりを続け、不公平感を紛らわすために深酒し、気づいたときには自分で自分を止められなくなっていた。自分があの母親だったならば、彼女とは少しは違った人生を送ることができていただろうか。そんなことは知る由もないが。
そのとき初めて、こう考えられるようになった。自分は母の靴を履いて歩くことはできない。誰も自分の靴を履いて歩くことはできない。人が自分をどう理解していようと、それは基本的には正確ではなく、他人の目に映る自分の姿まで心配する必要はないということだ。この気づきが自分に自由を与え、ようやく自分自身でいることが楽になった。
それからは、もっと心を開くようになった。高校生活では、共通の話題を探すのではなく、宇宙旅行や哲学など、自分がわくわくするような考えについて話すようになった。ほとんどステータスだけのためにやっていたアメリカンフットボールをやめ、純粋に走ることが好きだったので、クロスカントリー競技を始めた。そして、クラスメートの1日を少しでも明るくするため、毎朝、彼らが来るたびに教室のドアを開けてあいさつするようになった。生徒会での役割に打ち込み、ついには会長に選ばれた。そのときでさえ、その役職自体よりも、他の生徒を支援する方法として、その立場を利用できることに意味を感じていた。自分の中の友情関係は、認められるために頑張るものから、お互いを純粋に尊重し合うものに変わっていった。
あの夜、父の心臓の鼓動を聞きながら、怒りと悲しみでいっぱいだったことを思い出す。しかし、後になってみれば、母から学んだ教訓に感謝している。あの痛みは、恐れずに自分自身を表現することができる今の自分になるための、必要なステップだったと分かった。

[原文: Read the essay that got a high-school senior into 7 Ivy League schools]
(翻訳者:時田雅子 ) 参照元:Business Insider Japan

記事原文は Business Insider をご覧ください






母としては辛すぎます

記事にはお父様と一緒の写真が出ていますが、お父様は立派な方だったのでしょうが、このエッセイで合格というのはこの子のお母さんはどう感じられるのでしょうか? 真実のストーリーなのか、カレッジ・エッセイの為に大きく脚色されているのかはわかりません
最早、幸せな平均的な家庭に育った子は合格するチャンスがないのかとさえ錯覚してしまいます 

記事を読めばわかりますが、酷すぎるお母さんの元に生まれはしましたが決してこの学生さんが恵まれていないわけでもなさそうです 教育コンサルタントの CollegeVineで、デューク大学生物化学エンジニアリング専攻のメンターの指導を受け、エッセイの改善に取り組んだとあり、もしかすると CollegeVine のコマーシャル的な記事なのでは?と思ったりもします お安くないですよ、CollegeVine で指導を受けさせられる財力がこのお父様にはあったということです

また、生徒会にも深く関わっていた セルビア、トルコ、グアテマラへも旅行した と記事にはあります これも CollegeVine の指導でしょう セルビア、トルコ、グアテマラでもただ旅行してきたわけではないはずです このような指導をアイビーリーグ専門の教育コンサルタントはします その旅行費用もお父様には負担することができたということです


実例もあり

息子の時の話ですが、両親の不和により自分が如何に辛い幼少時代をおくってきたかというエッセイを出して、アイビーリーグに合格した同級生がいました 不幸話が本当の話なのか、コンサルタントの指示なのかはわかりませんが、その手のエッセイがここ数年のトレンドであることは間違いありません

大学合格の為に、不幸話をでっち上げているとは思いませんが 親としてはそれで合格となるとなんとも言えない気持ちになります 超難関校に合格したけど、超絶不幸な子ども時代をおくった子ほどほどの大学に合格して平凡ながら幸せな家庭に育った子とどっちの人生がいいのでしょうか? 家庭の不和が合格に影響するなんて、不思議の国すぎるアメリカです

まとめ

今年、アイビーリーグ8校全部に合格の上、スタンフォードにも合格の快挙を成し遂げた女子学生のニュースも見ましたが、黒人女学生でした 人種枠、性別枠、に泣く学生がどれほどいるのでしょうか アジア系男子ではアイビーリーグ全校に合格するなど夢物語です エッセイもそうですが、超難関校の合否を分けるのは闇が深すぎて、教育コンサルタントの指導を受けるのも必須なのかもしれません


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