2016/11/04

アメリカ大学事情 その2

願書をたくさん出す意味



前回、願書はなるべくたくさん出すようにとアドバイスしました その意味をもう少し説明しましょう


滑り止め対策ではない


日本の受験では、本命と滑り止めと願書を出すのが普通です 学費が安い国立が本命だったとしても 私立のそこそこの大学に合格した場合は浪人するより進学を選ばれると思います 国立より高いと言っても 私立だからと言って進学を断念するほどの高額な授業料ではないはずです
 
アメリカでは一校でも多くの合格を出す意味は、学費にあります  州立は別として私立の場合、ファイナンシャル・エイドを申請していれば、合格後数日のうちに学費及び寮費、その他の費用のパッケージが送られてきます ご存知のように私立の学費は巨額です 寮費その他の費用の合計が年間7万㌦ほどかかるのが普通です  東海岸の大学に進学すれば他に帰省の度に飛行機代がかかります 合格したとしても進学できるかどうかは学費にかかっていると言えるでしょう 学生ローンで借りるにしても巨額すぎます カレッジでは極力ローンを利用したくないですね カレッジ卒業後の進路次第では また学費が必要となりますので プロフェッショナルスクールの学費のローンは仕方ないとしても カレッジでは出来るだけ子どもにローンを背負わせたくないのが親心です

FAFSA とCSS をファイルしていれば、家庭の年収や資産状況によりファイナンシャル・エイドが受けられます  大学によって最終的な学費がどのくらいになるかは違いますので 実際パッケージを貰うまではわからないのです 第一希望の大学だったとしても、ファイナンシャル・エイドがほとんど出ないこともありますし、第二希望だったとしても 資金が潤沢にある大学なら、年収がそれほど低くない家庭でもある程度のスカラシップを出してくる場合もあります 有名私立で資金に余裕がある大学では、年収20万以上のご家庭でもスカラシップが出るところもあります





ネットプライスを知る 


大学からパッケージが送られて来るまでは、わからない実際の学費ですが ある程度は調べることができます College Navigater というサイトでは 年収毎のネットプライスの平均値がまとめられています これは目安ですので、年収の他にも家族構成、資産、他にカレッジに在籍している家族の有無、学生の収入などによって変化します

College Navigater のサイトは コチラ

このサイトで各大学名を入力し検索してください Net Price のタブをクリックすると年収毎のネットプライスが掲載されています


州立の方が高い?


日本人の親御さんは UC が安いと思っていらっしゃるかたが多いのですが、家庭の収入によっては 私立の方が安くなる場合もあります UC の場合、年収が10万㌦を超える家庭で学費のディスカウントはまずありません  全額支払うことになります  UCLA で 学費寮費合計が 33,391㌦(On Campus 2015-2016) と出ていますが、他にテキストブック、健康保険 諸々の経費を合わせると4万㌦近くになります 一年目は原則入寮することになっていますので寮費を節約する訳にはいきません 

年収8万㌦くらいが UC でファイナンシャル・エイドが出るボーダーなのですが、ハーバードやイェールのような資金に余裕がある大学なら 年収8~12万㌦ 辺りでは 州立よりは学費が安いはずです スタンフォードも College Navigater で見ると 年収7万5千~11万㌦の ネットプライスは 14,316㌦となっていますので 明らかに州立より安いですね

忘れてはいけないのが、何年で卒業するかということです 州立の場合、4年で卒業する学生の率がそれほど高くないところもあります 希望するクラスが取れなかったという理由も大きいらししいですが、大学の資料に4年での卒業率が必ず載っていますので もし低い場合、卒業までに5年かかると 学費は5年分必要ということになります

私立の名門校の場合は、4年での卒業率は非常に高いです 名門校でなくても小規模大学で生徒一人ひとりに対するケアもしっかりしている大学ならば、4年での卒業率が高いところもあります


まとめ


願書をたくさん出す意味は、一校でも多くの合格を勝ち取るだけでなく 学費を比べることが出来 よりよい条件の大学を選ぶことができるということです 大学選びの際は 4年での卒業率にも注目して下さい 4年できっちり卒業するか、5年かかるかは学費に大きな違いが出ます


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