2016/11/08

アメリカ大学事情 その3

願書の早期提出は有利?


現時点では大学願書の早期提出は締め切られていますが、早く出すのがいいのか普通に出すのがいいのか悩ましい問題です


Early Action & Early Decision

願書の早期提出にも種類があります 一般的なのがこの二つ Early Action と Early Decision です Action の方は 早期に提出するだけで、一般提出とあまり違いがありません 何校出してもいいですし、ファイナンシャル・エイドの申請も可能です 

Early Decision は、一校のみ提出でき 学費は全額支払うのが条件です 合格した場合、必ず進学しなくてはいけません 大学により、どのタイプの早期提出を受け付けているかは違います

早期提出の合格率が通常提出よりも高いと言われています それでは、早く願書を出すと合格率が上がるのでしょうか? この答えは非常に難しいです 大学により、有利な場合とそうでない場合があるとしか言えません 超難関校の早期提出組は合格するべき人材が提出しているので合格率が高いと思うのです 普通の学生が超難関校に早期で出しても合格率は全く上がらないばかりか、通常提出の方が合格の可能性があるように思えるのです 超がつかない程度の難関校や、そこそこの優良大学の場合は、早期提出にチャンスがあるように思えます





早期合格するのはスーパー高校生

西の横綱、スタンフォードは Restrictive Early Action というちょっと特殊な早期提出を受け付けています  合格しても進学義務はありませんが、他校に早期提出出来ないという条件付きです ハーバードや イェール などの 超難関校で採用されています スタンフォードやハーバードを目指している学生が少しでも合格率を上げるために早期提出するのは危険です 一つの例を上げましょう

息子の同級生の女子で スタンフォードの早期合格者がいます はっきり言いまして、スタンフォードやハーバードに早期合格を決めてくる子はスーパー高校生です 一般の高校生は太刀打ちできないレベルです フットボールやバスケットなどのスポーツ系花形選手などが当てはまります スポーツ系花形選手は目立ちますが、目立たないタイプのスーパー高校生は要注意です

スタンフォードに早期合格した女子を仮にJ ちゃんとしましょう このJ ちゃんとはプリスクールからの同級生です お父様は有名大学教授、お母さまは有名Dr. で一人娘です ご両親共にスタンフォードの卒業生です この時点で強力なレガシーを持って生まれているということになります

幼少の頃から頭脳明晰で A以外は取ったことがありません 中学高校とサッカーチームで活躍し、オーケストラにも所属していました 正に非の打ちどころのない生徒です それでも高校では主席卒業ではありませんでした 上には上の生徒がいます 主席は取れなくても、Jちゃんのすごい所は他にあるのです 高校生になった時から Jちゃんファンデーションという自分の名前の基金を設立しています どんな活動内容だったのかは知る由もないのですが、高校4年間そのJちゃん基金から オーケストラのコンサートがある度に寄付がありました 明らかに大学進学のための基金設立です 夏休みにはお父様の大学で普通は大学生対象のインターンシップなどをしています ご両親のありとあらゆるコネを使い並みの高校生では出来ない活動を積み上げた4年間だったと思います ユダヤ系の白人ご家族です パーフェクトです 

アイビーリーグなどの難関校向けの塾というか、合格率を上げるためのコンサルタント業者がありますが、このJ ちゃんのやったようなことを指導します どこかの貧しい国の難病の子どもを助けるための基金を設立するようにアドバイスしたりするのです 実際、そのような基金を設立して活動していた子は早期合格組に多いです このタイプのスーパー高校生は、ご両親のサポートの元、きっちり合格してきますのでこのような子と同じ大学に早期提出をしても合格率を上げるとは思えません


主席卒業でもスーパー高校生には勝てない

息子の同級生の台湾系の主席卒業男子も第一志望はスタンフォードで勿論、早期提出していましたが 不合格でした 成績やその他活躍では決して Jちゃんに負けてはいないのですが、ご両親がスタンフォード卒業というレガシーと キラキラ輝くスーパー高校生のオーラとでもいいましょうか、普通の学生では勝負になりませんでした

ところが、スタンフォードの一般提出のほうで 中国系のオケ仲間の男子が補欠に引っかかったのです 残念ながら補欠から繰り上がり合格にはなりませんでしたが、もしかして 主席卒業の彼が一般提出をしていたなら合格していたのではないかと思ってしまったのです たら・ればの話ですがそう思わずにはいられませんでした

スタンフォードやハーバードの早期合格者はスーパー高校生ばかりといった感じだったのですが、アイビーリーグの他の大学ではまたちょっと違いました 同じ年、U Penn(University of Pennsylvania)からは早期合格が3名ほど出まして、中国系男女各一名が合格しています 男子の方もオケ仲間でしたが 優秀ですが普通の学生です ファイナンシャル・エイドも獲得しています 息子の高校からは毎年、U Penn はアジア人の合格者を出しています こういう実績も大事だと思います 今まで全くアジア人の合格者を出してない大学より、毎年合格者を出しているというのは可能性があるということです
 

まとめ

早期提出するにしても一般で提出するにしても、合格させてくれる大学かどうかを見極めるのが大事なのではないでしょうか? もし、Jちゃんのようなスーパー高校生が早期で提出する大学に出しても合格する可能性は限りなく低いのです スポーツ系花形選手も願書を出す時点で合格は決まっているようなものですから 出来る限り事前に情報を収集して第一志望でも合格確定の志願者が早期提出するならば 一般提出に回る選択もアリだと思います 

早期提出して不合格になった場合、もう同じ大学には一般提出できないのです アイビーリーグでも U Penn のようにアジア人の早期合格者を出してくれるところもあります 自分の高校での今までの合格実績も参考にして願書を出す大学を決定することをお勧めします



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