東洋美術専門オークションギャラリー
I.M.Chait HPより |
ビバリーヒルズにあるオークション&ギャラリーです ここは東洋美術専門のその筋の方には有名なところです はっきり言ってほとんどの日本人には興味がないところだとおもうのですが、アメリカ人の中には熱烈な東洋美術愛好家がいらっしゃいますので、ここのオークションに欠かさず参加されるというような方も多いです
東洋美術が専門ではありますが、場合によってはエステートセールのような時もあり、おそらく遺産の処分で家の中身を丸ごと売っていることもあります 美術品に限らず、貴金属、家具、ありとあらゆるものがカタログに載っていたりします そんな場合は、値段のつけ方がザックリしてるんですね え! 何故この値段? と思ってしまうようなものも結構ありますよ 昨日の日曜日開催されたオークションのカタログを見ていて見つけたのはコレ↓
I.M.Chait HPより |
これ今でも日本の国際線の免税店で販売されています 現在の販売価格5千円ナリ オークションカタログでの Estimate 100~200ドルってね 100ドル以下に付けられないからなんですが、買う人いないでしょう これ単品では絶対に出て来ないでしょうが、エステートセールで一切合切全部売る時はヘンなものが紛れていたりします カタログを見ていると突っ込みどころ満載でいろいろと楽しいです ところが、ある時見つけたのです 欲しいものを
たった一度のオークション参加
そもそも普通に庶民の生活をしていたら、こんなオークションハウスとは縁がないのですが、前に住んでいたタウンハウスのお隣におじいちゃんがおひとりでお住まいでして、その方が東洋美術の愛好家だったのです 家の中にはわらわらと東洋美術が陳列されていました ひとつひとつは高価なものとは思いませんが、お好きなんでしょうね ボロボロの韓国の皇帝夫妻のタペストリーなんかが壁にかかってましたが、この手のものはアメリカ人に大変人気があり実際オークションでもよく見かけす
お隣といってもお付き合いもほとんどないのですが、集合住宅では時々、ホームオーナー・アソシエーションの集まりがあるんです その折にお隣に伺ったら、私が日本人だからでしょうね オークション・カタログを見せて下さいました カタログはオールカラーで 立派なものです おじいちゃん、こんなところで買ってるのか…なんて思いながらパラパラとめくっていると、あるページに目が釘付けになりました そこには私が憧れていてずっと欲しかった画家の絵がありました ちょうど、新しい家の購入も決まっていて新居のリビングルームに飾るのにぴったりです
もちろん、油絵なら絶対に購入出来ない画家です ただ、版画なら手が届きそうな価格で出てきます 版画といってもピンキリで奥が深いのですが、見つけたのは木版画でその画家の カタログ・レゾネ(目録)にも入っている作品です 出会いっていうのは、あるんですね これは私が絶対買う と決めました
内覧会に行ってみる
オークションの前に、ビバリーヒルズのギャラリーで内覧ができることになっています そんなところに出掛けて行くのは初めてでドキドキしますが、これは行かなきゃと勇気を出して出かけました 行って見てわかったのは、高価なものもありますが、100ドルくらいからのものもたくさんあり、そんなに敷居の高いところではありませんでした カタログに掲載されている商品がずらりと陳列されていて、じっくり見ることができます まずは実物確認、それから版画で大事なのは ナンバーです 何枚刷りの何番という番号が書いてあります そして本人のサイン 全て私の中では合格です
ビットしてみる
オークション前に、お隣のおじいちゃんに相談してみました カタログのEstimate の半額くらいでイケるのでは、っておっしゃるのですが、これおじいちゃんの専門分野じゃないです 迷ったら、自分を信じるのがモットーです 私は Estimate のMax でビットしました それでも相場からは相当安いのです 第一、マーケットに出てこなければかえないのですから オークションに出掛けて、ビットする勇気はないので PC にてポチりました そしたら、買えたんですね 次の日、すぐ連絡がありました
早々に受け取りに行きました 落札価格の他に手数料などがかかりますが、お目当てのものが買えて嬉しかったです
買えた理由
日本人の私からしたら、その画家の版画がこの値段で買えるのか不思議だったのですが、誰も落札しなかったのにはわけがありました 絵画は普通、額縁に入れて売られています ところが、その版画は紙のまま、あり得ないことにボール紙の台紙に上の角2カ所で糊付けされて出品されていたのです 見るも無残とはこのことです 多少の日焼けによる色落ちもあります これ持ってた人ってどんな人だったの… と、このいい加減さに想いを馳せてもわからない謎です ボール紙に糊付けされた日本人画家の版画なんて私以外誰も欲しくなかったのは確実です
キレイにしました
台紙のボール紙から糊付け部分をきれいに剥がすのに専門業者に依頼しました フレームを探しにいったお店でビバリーヒルズの専門業者に出してもらうことにしました 料金はお安くなかったですが、ダメージなく剥がしてもらえましたので満足です 後は、フレームを選び、ミュージアム・クオリティでフレームに入れてもらい現在に至ってます オークションでの落札価格の他に相当な出費となってしまいましたが、どんなに欲しいと思ってもマーケットに出なければ購入できないものなので、縁があってうちに来てくれてたことに感謝しています
オリジナルペイント(油絵、水彩画)などは高くて簡単には手がでませんが、版画の場合枚数が多いのでその分お安くなります 庶民でも浮世絵などは買いやすい価格です アメリカには日本の浮世絵が相当数流通しています 日本で買うより、案外安く購入することも可能です 私が購入したのは浮世絵ではありませんが、日本では絶対買えなかったと思うのです 絵画は投資の優良物件です 人気の画家なら値段は上がるばかりです そんな投資目的のファインアートはとても買えませんが、作家にこだわらなければオークションでは額付きの絵がお手頃価格でたくさん売りにだされていますので、気に入ったものがあれば気軽に購入できます 住まいに飾る絵を探すのにオークションサイトを覗いてみるのもいいですよ 掘り出し物があるかもしれません 正し、作家物はニセモノにご注意下さい この値段だったら、ニセモノでもいいよって思える価格が適正価格と私は考えます
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